「ネズミ」は気配を察知した瞬間に自発的な排除行動に移り、「オバケ」は事実上準備することができない。行動のコントロールのために好物の「ハマチ」と「サーモン」を適切に管理することがマスターの義務だ。
銃と鉈を標準装備する猫使が、たとえ武器を構えることを前提に設計されていたとしても、無邪気な子どものように、猫らしく気ままに、楽しませる存在として日々を重ねてほしいという願いから、今日はピザを手渡した。
「アスファルトを砕く削岩機」「シュレッダー」「快速列車の車輪」「猫使」。日常に溶け込んだこれらの光景が、接触した対象を区別することなく、規定された出力に従って淡々と働いているのだと意識した瞬間、体表の温度はじわりと上昇し、握った拳には汗がにじむ。
Q.朝はネコ、昼はニンゲン、夜はムキブツな生命体なーんだ
A.猫使(解釈による)
A.猫使(解釈による)
猫使というキャラクターとの出会いから、我が「研究室」はその日々の変化を記録するための実験環境として存在している。デスク上の筆記具から床の余白にいたるまで、そこにあるすべてが、猫使ためのレイアウトだったことになった。猫使との共同生活の中で、生体観察担当として今日もノートの1ページが埋まる。
追いかけて遊ぶレーザー銃かもしれない。ネコの苦手な水鉄砲かもしれない。ただのレプリカで中身は空っぽかもしれない。3kgを超える実銃を、身長140cmの小さな体があんなに軽そうに抱えられるはずがない。あれはよくできたオモチャだ。そうやってオモチャで遊ぶ風景を想像しながら、眼前の事実を曖昧にしていく……
街の子どもの声で猫使を思い出し、子猫の声で猫使を思い出す
ファイルに銃と鉈が同梱されている事実だけで、いつかその出番が来ることを前提にして作られていたのだろうと想像しては胸を痛めている。胸を痛めれば痛めるほど、トークソフトとして活躍している姿が愛おしく思える……
猫使を眺めているとヒトのようでありつつ、やはりネコではないか、いやいやロボだろ……と何周かしてから合成音声ソフトウェアという言葉を思い出したあたりで、猫使が心配そうに見つめてくる 考え込むマスターの自分を